ものの表現は具体的に



あなたが思っていることを、
相手に簡単にわかってもらうには、
あなたの頭の中にあることやものの表現を、
具体的に相手にわかる言葉で話すこと。

これだけです。

自分の頭の中にあることを
言葉にすることは、
けっこう難しいのです。

しかも、
それを相手に伝わるようにするというのは
さらに難しいのです。

思い描いていることやもの。
時間や場所そして、方法など。

これは、あなたの中には、
映像として残っていますし、
今、あなたに見えているものだったり、
あなただけが経験したことだったりします。

それを相手に伝えたくても、
相手には見えていなかったり、
経験していない場合、
あなたの言葉で、
一から想像をしなければならないのです。

たとえば、
一般的に、言葉だけで、
「あれをとって」
といわれたら全く分からないですけど、
身振りが入って、目線が入って、
「あれをとって」
であれば、
先ほどのよりはわかります。

もしわからなくても、
聞き返すこともできれば、
相手の行動が加味され、
あなたのイメージを
受け取ることはできます。

でも、自閉症の人は、
相手の表情を読むことが
難しい場合もありますので、
「あれを取って」では
わからないことが多いです。

ですから、具体的なものが
あなたの頭の中にあるのですから、
その名称を言うことです。

あれ、
これ、
それ、
など。

あそこ、あっち、
ここ、こっち、
そこ、そっち、
など。

あの人、
その人、
この人、
など。

指示語といわれる言葉は、
時に役立つものですが、
人によっては、全く意味がわかりません。

また、
大きいやつ、
ちょっとの時間、
など、あいまいな言葉も私たちはよく使います。

おいしい○○
なども、その人の感覚でしかありません。

ですから、自閉症の人にはわかりにくいのです。

言葉が通じていないときは、
あなたの頭の中にあるものを
想像できない言葉で
表現しているからかもしれません。

あなたの頭の中にあることやものを、
具体的に相手にわかる言葉で話すこと。
それだけです。

そのものの名詞を使うようにしましょう。
人によってはわからなければ、
同じ意味を持つ言葉を使ってみましょう。

色や形を添えましょう。
方向や数量を伝えましょう。

銘柄・会社名(販売会社)を伝えましょう。
駅の改札口や店の支店名も伝えましょう。

こういうイメージをしていれば、
たとえば、買ってきてほしいものや
待ち合わせ場所などにも使えます。

たとえば、「○○駅の進行方向の改札」と言ったところで、
これはあなたのイメージであり、
その人がどこから来るのかわかりませんので、
「△△改札の出たところ」のほうがわかります。

具体的というのは、
あなたの頭の中身を伝えることですから、
あなた自身も、この言葉は相手にとって使える言葉なのかを
考えて使う必要があるのです。

わかりにくい場合は、
インターネットを使ったり、
写真なども有効ですし、
例えば、
何かの作り方なども、
動画などをお見せするほうがわかります。

具体的に、
相手に伝えるのは、
あなたのあいまいな言葉や、
単なる言葉だけではなく、
視覚的に示すことも使いながら、
伝えましょう。

そして、必ず、
伝わっているのかを、
確認する癖をつけましょう。