自閉症支援:管理ではなく、考えやすくするため



自閉症の人の支援をするときに、
道筋を作ったり、
スケジュールを作ったり、
情報を減らしたり、整理したり、
支援者主導の介入と思われるようなことを
入れていくことがあります。

ご本人たちには、
自己選択・自己決定といった支援も
必要ではありますが、
それをするためにも、
もともと、
ご本人が選べなかったり、
経験がなく
想像もできないこともあり、
私たち支援者が、
用意したものを提示して、
使っていただくことも多いことでしょう。

自由時間が、
苦手の人もいて、
自由だからこそ、
やることがわからなくなる人もいます。

ですから、自由時間でさえも、
することを
予定に入れて、
ご本人に活動をしていただくことになります。

さて、この時に、
支援者が、間違うのは、
管理をしようとすることです。

支援者が介入し、
道筋が決まっているように見えるので、
支援者が何でもしてあげないと
できない人たちと
勘違いをしてしまう事がありませんか?

また、彼らの表現が、
社会に対して、
迷惑をかけているように
見えてしまうため、
管理したくなるようです。

管理すれば、
迷惑がかからないという論理です。

なぜ、道筋を提供するのか?

それは、管理するためではありません。

彼らが、考えやすくなる為です。

パニックや
問題行動と
思ってしまうような行動があるのは、
彼らが考えにくい環境や
不適切な関わりが起きているからです。

ですから、私たちがすべきことは、
彼らにわかりやすい
日常を提供するために、
彼らがわかるある程度の道筋を
提供していくことなのです。

見た目が、
どうしても管理しているように
見えることもあり、
支援者が解釈を間違うと、
管理したほうが良いのだと
思い込むことにもなりかねません。

多くの情報がありすぎると、
考える力を発揮できませんし、
他の利用者の人と
和気あいあいとさせたいと思っても、
そういうことが苦手で、
パニックになる人もいます。

すると、
支援者が接する時間も
多くなり、
管理しているようにも
見えるのでしょうね。

私たちは支援者であり、
管理者ではありません。

支援とは、
その人がその人の持っている力を
発揮できるように、
関わることでもあります。

これは、本来、
自閉症だとかそうでないとか、
関係なく、
全ての支援が必要な人に
当てはまることではあると思いますが、
まず、私たち支援者が、
なぜ、彼らに関わるのか、
その人は、どこに障害があるのか、
そういう視点を持ち、
私たちの支援で、
その人らしさや暮らしやすさが、
もっともっと出るのだという視点のもとで、
支援をすることなのです。

私たちがしていることは、
管理ではなく、支援であると、
堂々と言えるような、
関わりをしていくべきなのです。

あなたに迷いがあるべきではないのです。

管理したほうが良いと思うのは
集団や社会を主と捉えた時です。

社会に迷惑になるから管理するとではなく、
自閉症の人に
わかりやすい日常を作ることを目的に
支援を入れていけば、
彼らが安心して
社会の人たちと接することに
つながっていきます。

彼らが彼らの人生の主人公になるよう
彼らが考えやすくなる為の支援を
展開していきましょう。