「人手が足りないから、虐待が起きる」
「専門性がないから、虐待が起きる」
このような発言をしている障害者団体があります。
そういう発言はやめなさい。
虐待の理由づけを障害者施設を取りまとめる団体が
そう言ってしまうのは、
各施設がそう思い込む要因になります。
本当に人手不足なんですね?
どこよりもですか?
基本的に職員の数なんて、ある意味どこも同じなんです。
その計算の中から、非常勤の人数を増やしたり、しているのです。
その違いはあります。
ですから、非常勤職員がいる時点で、人数的には不足はないはずです。
それに、人手が足りないって言っている事業所は、
10人来たって足りないっていうはずです。
だいたい来たところで、今度は、お金がないっていうでしょう?
今以上に人を必要とすれば、
経営陣は、お金集めも大事かもしれません。
経費削減もあるでしょう。
魅力ある事業所を作れば、人が集まるかもしれません。
そういう状態は、改善しなければならないかもしれませんが、
そこは経営陣ががんばるところです。
でも、それで虐待につながるとは思えません。
さて、その問題がない状態で職員の数が決まり、
やっているのは現場の皆さんです。
ですから、回せるようにすればいいわけです。
まず、最低限必要なことはやってください。
法律上で言われている最低限です。
そこからは工夫です。
人相手の仕事は、どこまでやってもいいのです。
逆な考え方をすれば、最低はあるのです。
最低はクリアする。
そのうえで、その人の自立につながる
あなた方独自の支援を上乗せしてください。
できない部分なら止めればいいのです。
もちろん、よりよい支援を目指してほしいですが、
「人手が足りないから虐待がある」と言っているくらいなら、
上乗せ部分をやらなければいいわけです。
そういう意味です。
勘違いしないように。
そして、専門性の部分。
専門性を持った職員が集まらないのは、どこも同じです。
逆にいったら専門性を持っていなきゃダメなんですか?ってことです。
そんなことはありませんよ!
今や、専門性を持った人が、障害者支援を支えていく時代は
終わったと思ってください。
専門性を持っていない人も巻き込んでいかなければ、
障害者支援現場は支えられない時代なのです。
それなのに、「専門性がないから虐待が起きた」と言いますか?
専門性がなく障害者支援現場に入り、
虐待を起こしていない人がたくさんいますよ。
それはなぜか?
障害者支援は、人として相手にどうやって接するかだからです。
専門性を持っている持っていないを別にして、
人としてやっていいことと、やってはいけないことの
区別ができるかできないかでしょう?
専門性は、だんだんに身に着けるものだと思います。
専門性がつくかつかないかは、
その人たちにどれだけのことが伝えられるかです。
だから、管理職次第です。
管理職が、それを伝えられないのであれば、
外部を使ってください。外部講師を呼ぶなり、コンサル入れるなり。
虐待が起きてから、
人手や専門性といったことを理由づけするという
旧態依然の対処療法的な考えでは、なくなりません。
予防です。
今、虐待しないために何をすればいいのかを考えて、
自分の組織を動かしていきましょう。
この状態を通常のものとして、
虐待予防をしてください。
人手が足りないとか、専門性がないと言っているのは、
自分たちを擁護している言葉だと思います。
○○だから、仕方ないんだよと、
自分たちを擁護していますか?
虐待で苦しんでいる人たちに
そういう言葉を言っている人たちが一番の虐待者かもしれません。
今の状態をまず認識しましょう。
その中でできることをし、そのうえで上乗せのサービスをする。
専門性は、徐々に管理職中心に人材育成をする。
特に自閉症の方の支援スキルは身につけてほしいです。
その中で予防をしていく。
さあ、あなたの施設はまだ、虐待予備軍ですか?
虐待予備軍から抜け出すべきです。
虐待につながらないように、今を認めましょう!
そして、どういう方法が虐待につながらないか、
アイデアを出しあいましょう!
一番は、福祉に関わっている人の心のケアだと思います。福祉に関わっている人は、なかなか相談できる相手がいないから、追い詰められて、虐待をおこしてしまうのです。虐待のおこらない社会、虐待とかんじさせない社会を、みなさんが協力して作っていく必要があります