知的障害がある人の多くに
「その日を生きている人」
という印象があります。
ですから、現実的な将来的な計画が
むずかしかったり、
今ある状態がどんな将来に結びつくか
想像がつきにくいことがあります。
やりたいこと
やりたくないことが、
その場の感情で決められることもあり、
確認をすると、
そこから考えることもしばしばで、
支援者からの情報が、
必要な人たちです。
そんな彼らの
お金の使い方は、
宵越しの金を持たないタイプの人も多く、
持っていれば使ってしまったり、
銀行に入っている残金を見て、
大金持ちだと勘違いをしたりします。
さて、そんな人たちですから、
今欲しいとなるとほしくなってしまい、
インターネットで買い物をしたり、
商品の「今だけお得」という言葉の誘惑で、
今買わないと絶対にダメなんだという
イメージを持ってしまう人もいます。
もちろん、お金が充分にあって、
何にでも使える人であれば良いのですが、
中には、金銭的な余裕がない人もいて、
購入商品の厳選を
しなければならない場合もあります。
さて、
物には
欲しいものと必要なもの
があります。
買いたいなあと思うのは欲しいもので、
だからといって、
絶対的に買わなくても済むようなもの。
必要なものは、
それがないと困ってしまうようなもの。
彼らはその意味をごちゃごちゃに
考えているかもしれません。
欲しいとなったら、
必要なものになりがちですから。
お金がないときには、
買うべきものなのかを
話し合う時には、
この分け方は重要なポイントです。
今でなくても大丈夫なものは、
だいたいが欲しいもの。
具体的に
どんなものか、
イメージをしてみましょう。
<欲しいもの>
お菓子など、なくても生活できるもの
衝動買い
ゲームや最新機器などネットで見たもの
今だけお買い得商品
新商品
色違いでほしい
<必要なもの>
緊急性があり、補充するべきもの(壊れた家電の代わりの商品など)
生活に必要なもの(食材・日用品な)
町会費など暮らすために必要なもの
イメージがわきますか?
支援者である私たち自身も、
この区分けができずにいると、
お金がどんどん無くなる生活になってしまうと思いますが、
買いたいとなった時に
ただ欲しいものか、
本当に必要なものかを
今一度、
話し合っておくことです。
ご本人が買うと決めてから
話し合いをしても効果がありません。
日頃から、
この質問を
してみましょう。
欲しいものと必要なものの区別はついていますか?
それは、欲しいものですか?
絶対に必要なものですか?
そういう話を日頃からしていると、
いざほしいときに、
「残金が、○○円です。買いますか?買いませんか?」の
相談もできます。
たとえば、そういう質問の中から、
買うけど、
今度お金が入ってからにすると
考えることもできます。
今買うのか、
時間を置いてから買うのか、
この違いは大きな変化になります。
時間を置いてから買うといった時は、
欲しいものであり、
必要なものではない可能性が高いです。
また、買うまでの間、不要であったり、
代替えができたりしますので、
時間を置くことで、
買わないという選択も出てきます。
お金は、簡単に増えていくわけでは
ありませんので、
やりくりや支出を減らすことを
していきたいところです。
買いたいものが出てきたときに、
それは欲しいものですか?
必要なものですか?
と考えられるように
日頃からそんなことも
話題の一つとしていきましょう。
お金が少ないから
買いたいものが買えないのではなく、
不要なものばかり買っていると、
本当に必要なものが買えず、
お金自体も無くなることを知る機会を
作っていきましょう。
もちろん、そのなかで、
欲しいものを衝動買いする楽しさも
たまにはどうぞ!
そして、あなたが親御さんであれば、
その姿も見ていますから、
ご自身が、注意するべき部分もありそうですし、
やはり、やりくりについては、
小さいうちから、話題に乗せていくと、
大人になってから、
困らないことが多くなります。
ぜひ、取り組んでいきましょう!