知的障害や自閉症の人が
何かをするときに、
悪いことやいけないこと、
危ないことだと思って、
何かをする前に、
止めてしまう支援者がいます。
例えばの事例ですが、
私の施設に入所したばかりの
言葉の無い自閉症の人が、
ある日、
施設から出ていってしまったことがあります。
さて、あなただったらどうしますか?
この時点で、
止める支援者が多いですね。
何で止めるのでしょうね?
確かに施設を出ていってしまったから、
呼び戻さなければならないと思いますよね。
でも、そのあと、
その人は何をしたいのだろうと
気になりませんか?
何か理由があって、
施設の外に出たわけですから、
それを知らないで、
止めるというのは、
どこに何の支援を入れるべきかが
わからない状態のままになってしまいます。
私たち支援者は、
支援をするべきところがわかり、
そこに支援をすることで、
その人の困っていることや
やってみたいことの
手助けをしますよね?
でも、彼らのすることに対し、
悪いことをしているかのように
見えてしまい、
例えば施設を出て行った時点で、
注意し、引き戻してしまったら
その人が考えていたことに
触れることもなく、
また、そのあとも支援に結びつかず、
結局は、何度も何度も出ていくことを
繰り返すだけに
なってしまうかもしれません。
私が支援していたその人は、
そのまま後をついていきましたら、
うちの施設に入所する前から
よく出入りしていた公共の場に入り、
TVがあるのを確認したら、
自ら施設に戻り、作業を続けました。
私たちも、その人が
どんな行動をしたがる人か
一端を見た次第です。
その後も、
もう1度同じ行動をしていますが、
もちろん止めずに様子を伺いました。
それで、出ていくことは
なくなったのです。
彼らの心の中は、
彼らが行動した時に、
それを確認しなければ、
支援者として
理解できないこともあるのですが、
その時点でやめさせていることも多く、
彼らのイライラにつながっていることも
多々ありますし、
原因がつかめないことも多くあります。
怒って、行動を止める前に、
何をするのか、
見る余裕があるのでしたら、
ちょっと観察してみてください。
もちろん、安全の確保や、
命にかかわるような場合は、
止めることもあります。
そのあたり、支援者の力量も考えつつ、
彼ら自身を全てを否定せず、
彼らの人生に寄り添ってみましょう。
言葉ない彼らでも、
思いがわかる瞬間に出会うかもしれません。
そして、確認をしてから、
どんな支援を入れるべきかを
考えていきましょう。
急な、彼らの意味の良くわからない行動で
支援者の方が
不安になってしまう事も
あるかもしれませんが、
ことは急がない方が、
うまく支援に行きつくので、
まず支援者が不安にならず、
彼らを信じることも必要だと思います。