自閉症の人には、
例えば、給食の時に嫌いなものがあると、
そのおかずをすべて食べられないとか、
嫌いなものを支援者のお皿に投げつけてくるとか、
不安定になるとか、
そういう人もいます。
私も給食の時に、その人が嫌いな野菜を投げつけられ、
トレーの上が、散々になったこともあります。
(逆に好きなものは、取られることもありましたが・・・)
嫌いなものは嫌い。
それは、私もお肉が嫌いなので、
気持ちはわかります。
子どものうちは、
仕方ない行動と思われるかもしれませんが、
大人になった時には、
社会の中で使えない手段と
なってしまいます。
様々なシーンを思い浮かべると、
将来的なことも考えたときに、
このようなことで対処するというのは
いかがなものかと思います。
そのためには、
どんなシーンでも、
ご本人にとって困らない状況を作り、
ご本人の中で完結するために、
給食など、ご本人のトレーの中から、
練習をしていきましょう。
それが将来的に、レストランなどで
食べる時にも有効な方法となります。
実は、嫌いなのに残すことができない人もいますし、
そんな人は、
必死できつい顔をしながら
食べたりもしていますよね。
それも、辛すぎます。
また、先ほども書きましたように、
その嫌な食材が入っているだけで、
全てを食べない人もいますので、
取り除けば大丈夫だという、
感情の変化につなげていきましょう。
方法ですが、嫌いなものは
残してよいことを伝えます。
そのうえで、
残し方としては、
小皿などを用意して、
そこに嫌いなものを分けることが
わかりやすいと思います。
もちろん、大皿の端に置くことが
できれば、それがいいのですが、
わかりにくい場合は、
小皿がよいでしょうね。
そこに嫌いなものを
乗せられるゾーンを作れば、
視覚的にもわかりやすいです。
最初は、自分では取りのぞくことも
できないかもしれません。
箸を変えないと、
できないこともありそうです。
特に混ざってしまっている
1種類の食材などは難しいかもしれません。
そういうときは、
最初は支援者主導になるかもしれませんが、
ゆくゆくは、ご本人に取ってもらいながら、
支援者はお手伝い程度にしていきたいものです。
もちろん「手伝ってください」などの
SOSの仕方を伝えるのも大事ですね。
取り除いたものを小皿に置くことで、
そこに存在しても食べなくてよいという約束として
繰り返し経験することで、
恐怖はなくなります。
嫌いな食材があった時に
全く食べなくなる人も、
この方法で取り除ければ、
支援者としても嫌いだったんだと
気づくこともあるかもしれません。
「食べない=おなかがすいていない」と
支援者が解釈してしまう事もありますし、
まさか一つの嫌いな食材のせいで
すべてを食べないとも思わなければ、
支援者は気づきません。
同じ食材でも調理方法で
食べたり食べなかったりもあるので、
おなかをすかせて、
我慢をしている人もいます。
目の前のものを食べないことの意味を
やはり、私たちは知っていくべきです。
嫌いだったら、残していい。
この方法を支援するだけです。
彼らが嫌いだと口にしてくれれば
わかりやすいですけど、
そうではないことも多くありますから。
嫌いなものがなくなれば、
食べられるとか、
嫌いなものがなくなれば、
穏やかな表情で食べられる人も
いますので、
食事が楽しんで食べられるように、
支援をしていきましょう!
施設に来るのは、
給食が楽しみという方も多くいます。
嫌いな食材との共存が
できるようになるためにぜひお試しください。