バカと言わせないための決意



「何であいつは、おれのこと、
バカっていうんだろう?」
「あしたさあ、バカって言われないための
作戦立てようよ」
と、知的障害がある方から電話。

ある人からバカと言われたことで
頭に来ていましたが、
今までもこういう会話になることが
あった方です。

ご要望通り、次の日に、
話しをしました。
(以下、要点だけの記載です)

「バカって言われる原因があったんじゃない?」
「ないよ」

「でもさ、いつもおこられてるじゃない?」
「いつも、『ちゃんとやって』って言われる」

「ちゃんとって何だろうね?
ちゃんとやってないんじゃないの?」
「ちゃんとやってる」

「じゃあ、〇〇はちゃんとやってるってこと?」
「〇〇はちゃんとやってるに入ってない」

「△△はちゃんとやってるに
入ってるってこと?」
「それもダメだ。
ちゃんとやってないから、怒られてる」

「うそもついてるって向こうはわかってるしね。
そういう積み重ねだったんじゃない?」
「俺がちゃんとやれば、いいのか」

「いつも怒られるようなことしてるから、
今さ、信用なくなってるもんね」
「そうだよなぁ。信用なくなってるしなぁ。
ちゃんとやればいいんだな」

「信用第一だよ」
「俺が変わればいいんだな」

という会話で終わりました。

障害がある方に対して、
「バカ」と表現することは、
もちろんよくないことではありますが、
今回の場合、
「バカ」と言わせるに至ったのは、
ご本人なのではないかという仮説を立てて、
お話ししてみました。

すると、ご自身から
「ちゃんとしなさい」と
いわれている話が出てきて、
その「ちゃんとしていない原因」も
ご自身で理解したようです。

ちゃんとしていない=信用がない状態。

だからこそ、「バカ」と
いわれているかもしれないわけです。
知的障害のために「バカ」と
言われているわけではないのではないか?
という仮説です。

ですから、その方も、
自分のさまざまな生活の中で、
信用されることが大事だという
理解になりました。

そこからすごいなぁと思ったのは、
「自分が変わることだ」と
自分の言葉で言ったことです。

今までの自分と変わることが、
相手を怒らせず、
信用を得ることに結びつき、
ゆくゆくは「バカ」といわせない…
につながる道を考えられたことです。

このところ、
ご自身のいろいろがよくないと考え、
生活に変化を起こしてきていた方なので、
理解もしやすかったのかもしれません。

長い間、信用をなくす生活を
してきた方なので、
信用を勝ち取るには
時間がかかるかもしれませんが、
大事なことなので、
お付き合いしていこうと思います。