本当の気持ちを推し量る



私たちは、
表面的な言葉に、
一喜一憂してしまうのだと思うのです。

その言葉の裏に
何が隠されているかを知ろうとしなければ、
本質を見抜く前に、
だまされる人もいるし、
怒り出す人もいるし、
びっくりする人もいるし、
いとおしくなったりもします。

相手の言葉の本質を知らずに、
そう思ってしまったのは、
自分が「そうであってほしいから」と
願っていることがあるからではないでしょうか?

たとえば、おれおれ詐欺。
被害にあった方には申し訳ないですが、
かわいい孫のために何とかすることで、
自分は物わかりのいい、
おばあちゃんになりたいからかもしれません。

たとえば、友達が
自分に悪態をついた。
もともと、嫌いな人だったから、
嫌いだといえる理由が増えたと思い込むかもしれません。

こんな感じで、
そのことばの表面的なところで、
理解したようなつもりになり、
自分を守っているのかもしれないなぁと
仮説を立ててみたのです。

さて、あなたが、もし、利用者から、
「○○をするのは嫌だ!」と言われたときに、
自己選択・自己決定だからと、
そのままにしているのは、
支援が面倒だからかもしれません。

また、同じように
「○○をするのは嫌だ!」と言われたときに、
反対するのは、
自分の常識に当てはまらないからかもしれません。

表面的なその言葉を、
あなたが、感じるままに受け取っていたら、
それは、自分本意の感じ方で
解釈をしていることにもなりかねないのです。

「○○をするのは嫌だ!」といわれ、
何でそういっているのかな?
本当に嫌なのかな?
なにか別な理由があるのではないのかな?

と、疑うくらいに、
考える癖をつけたいところなのです。

でも、その表面的な言葉に私たち支援者は
ずしんと受け取ってしまうから、
間違った支援になってしまいがちなのです。

本心に触れてみたら、どうでしょうか?

その言葉の本心は、全く違うことだったりすることもあるのです。

たとえば、
「病院なんか行かないよ!」
「検査なんかしないよ!」

の、本心は、
「検査で病気が見つかったらどうしよう…」
「入院ってどういうのかわからないからこわいよ~」

であったのなら、
その不安を取り除けば、
病院に行くかもしれませんよね?

それを、
本人が行かないって言っているから、
というのを表面的にとらえて、
言われたその場で、
「嫌なら、行かないでいいよ」といってしまったり、
「そんなこと言ってないで行くのです!」と無理強いしてはいけないのです。

なんで?と、考え、
ご本人に確認することを怠らないようにしましょう。

推し量る。

日本にはすてきな言葉がありますよね?
推し量ってほしいのです。

そして、その言葉の裏にある、
ご本人の感情を
大事に受け取って、
支援を開始しましょう!