買い物は財布ごと渡すもあり!



自立と考えたときに、
私たちは、彼らを型に
はめすぎてはいないでしょうか?

彼らの発想は、
本当に私たちには考えつかないくらい、
おもしろいアイデアや
びっくりさせられるアイデアもありますね。

例えば、
「ラーメンは電気ポットの中で作ります」

そんなこと普通はしないよね?
と思いたくなるくらいなのですが、
彼らはそういう発想をします。

もしかしたら、TVやなにかで見たとか、
誰かに聞いたのかもしれませんが、
やれるそうです。

私たちの発想は
「説明書通りに使う」
ではないでしょうか?

ですから、
まさかの使い方で、
生活していて、
うまくいくものもあるようです。

ちなみに、この人は、
「餃子を温めるのには蒸し器で蒸す」
とおっしゃっていました。
すごすぎる!
でも、電子レンジというものを
買うことをお勧めしました。

また、「BOXテッシュをトイレに流した」
と、びっくりさせられることもあります。
確かに流れて行ってくれます。
でも、その先を想像できていないようです。

そこで、しないほうが良い意味を説明したら、
「だって流れていったから・・・でも、やめる」
と言ってくれました。

「お金がなければ歩けばいいじゃん?」
という発想の持ち主は、
4時間くらいかけて家まで帰ることが、
苦ではありません。

「歩くのはいいかもしれないけど、
帰りの電車賃だけは残しておこうね」
と話すことで、歩いて帰ってくることは
なくなりました。

持っていたお金は、何のために使うか、
今しか想像しなかったようです。
ですから、手元にあったお金を
使ってしまったわけです。

まあ、このお金に絡んだアクシデントは
よくありますが、
基本、お金がなくなれば、
何かでしのぐと思っている発想はありますね。

その先を思いながら使う私たちとは、
ちょっと違います。

お金と言えば、
買い物の際に、
お店の人に財布ごと渡す人がいて、
今までに一番びっくりしましたが、
ある意味、理に適っているなあと
感心した「自立の形」です。

買い物に、
お金の種類を理解することは
不要という証明です。

このような、
支援者から見たら、
まさか!と思うようなことを、
彼らがたくさんしてくれます。

でも、目くじら立てて、
そんなことしちゃだめと言うだけでは
意味はありません。

わかりやすく理由を説明したり、
他の方法を伝える必要があれば、
伝えますが、
あとは、
支援者が、
彼らがする方法でもいいかな?
と思える柔軟さを
自分自身に持つことだと思うのです。

自分の常識を
度外視すると言うことでしょう。

彼らはできないことも多いです。
たぶん失敗することも多いのでしょう。
だからこそ、工夫をし、
生活をしていて、
それを、私たちの常識に
あてはめすぎてはいけないと思うのです。

ただ、それが危険だったり、
間違っているときは、
止めることもしますし、
彼らがやっていることより、
良さそうなことは
アイデアを提供したりも
していいと思うのです。
もちろん、それを活用するかしないかは
彼らの自由です。

私たち支援者の常識を
杓子定規にやらせても
意味はありません。

彼らなりの発想力。
彼らだからできること。
失敗したからこそ、工夫したこと。

そんなことを
私たち自身が取り入れることも
ありなのではないでしょうか?

家を出る時には冷蔵庫以外のすべての
電気のコンセントを抜いてきます。
という人もいました。
電気代は、ひと月1000円台だそうです。
すごすぎますよね!

彼らの発想を
楽しんで聞いてみましょう。
単に作業や活動だけでは出てこない、
生活の裏話。

まず、彼らの生活を知り、
支援が必要というところがあれば、
支援を入れられるようにするためにも、
会話を楽しんでみてくださいね。

もしかしたら、
びっくりするアイデアを
いただけるかもしれませんよ!