「できない」に隠された理由をつかむ



人は、何かをするときに、
できないことの中でやるよりも、
自分ができることの中で、
やるほうがここちよいのです。

できることを、
続けていくと、
応用につながり、
できることが、さらに増えていきます。

例えば、こどものお料理。
おもちゃでも、最初は大人がやって見せ、
おもしろそうだ、できそうだと考え、
切るという経験をし、楽しみができ、
本物の野菜をひとつ切ることができれば、
次の野菜を切ることができ、
ちょっと違う切り方に挑戦でき・・・
となって、
切ることができたことから、
どんどん違う切り方ができ、台所にいることで、
料理をすることも見るわけで、
その子ができると思えば、
自分が料理をすることにつながっていく
イメージです。

できることではなく、
できないことや興味のないことでも、
しなければならないと
思い込んでいると、
がんばらねばならないという感覚が、
知らず知らずのうちに、
自分を苦しめる人もいて、
人によっては、
精神的に追い詰められることにもつながるので、
自分はどんなスタンスで
物事をしていったほうが、自分にとって良いのか、
「自分取扱説明書」のようなものがあると、
わかりやすくなるのかもしれません。

人によっては、
がんばることができる人もいるし、
人によっては、
がんばることは苦痛の人もいますから、
人それぞれ、自分の経験という階段の上り方は、
どんな方法やどんな量をしていくかなど、
自分に合わせたほうが良いでしょう。

さて、逆の方向から見てみましょう。

「○○だからできない」
と思い込む傾向が強い人がいます。

自分のできないこと、叶えられないことを、
経験のなさや興味のなさから見るのではなく、
自分以外の何かを理由にする傾向が強い人がいます。

自分はできない(興味がない)から、
できない(やらない)のではなく、
他の何かに理由をつけて、
「うまく行かない」と感じているようです。

そして、そのできない理由が改善できれば、
自分の願いは、叶うのに…とも思っているようです。

この、うまく行かない理由や
できない理由を求めた先は、
改善できることなのでしょうか?

改善できないことに理由を求めていることが
あるよう見受けられるのです。

たとえば、支援上のことで、
「相手の人の障害が重度だからできない」や
職員の人数が、定数に達しているにもかかわらず、
「少ないからできない」といった言い回しで、
自分は充分にできるスキルがあるのに、
相手や環境のせいでできないとばかりに、
言うパターンです。

これは、あなたがそういったところで、
状況が変わりませんので、
何も改善はできないのです。

この手の考え方の人は、
例えば相手の人の障害が重度であれば、
重度の人ということは、変わらないことを
条件と見るべきです。

施設職員が、
その人数であることも条件です。

そういった、条件であることを、
自分の中に落とし込まず、
文句のように言いまわっていても、
あなたは、できないままです。

本心から、
何かができるようになりたいのか、
そうではなく、
できないままでよいのか、
問われる言動です。

できることの中でやるという意味から考えると、
自分の置かれた環境や条件を知り、
納得することではないでしょうか?

できることの中でやる。
その条件を理解して対処を考える。

そうすれば、
重度の人にもできる自分の支援が見つかり、
職員の人数が、その人数だという条件の中で、
うまく機能するチームもできます。

「できない」という言葉を
よく使う方には、
自分の興味がないからできないのか
自分の力量が達していないからできないのか、
そもそもやるつもりがないのか、
条件が合わないからできないと思いこんでいるのか、
「できない」に隠された理由を
つかんでみることをお勧めします。

そして、ことによっては、
できないと考えている意味を
捨て去ることなのかもしれません。

捨て去った後に、再度考えると
その中であなたにもできることがあるはずです。

条件やあなたの尺度のレベルを落としたり、
条件の中での思考パターンを変化させ、
自分の中に変化を起こし、
自分にできることを見つけてみてはいかがでしょうか?

やりたいのであれば、
できることの中でやることです。

「できない」に隠された理由をつかみ、
行動する時に
思考を変化させることができる
自分になりましょう。