自分からやりたくなる気持ちの支援をしているか?



知的障害がある人たちが、
作業をしたり、
活動をしたりするときに、
職員の皆さんが、
促してすることが多いと思います。

例えば作業をするときに、
利用者の人がしたいと思っている仕事が
あるとは限りません。

活動も、
給食も、
グループの組み合わせも
職員の担当でさえも、
現実は、その利用者の人が思う通りに
事が運ぶとは限らない世界ですが、
本当は、ご本人の
気持ちが充分にくみ取られ、
ご本人が、
「したい」
「もっと続けていきたい」
「これからもこの状態がいいなあ」
と思っていただけるような
取り組みやサービスの展開が
できるように、
組み立て行けることが、
利用者の人から望まれているのではないでしょうか?

「集団だからできない」
やってもいないことを言いがちですよね。

「一人ひとりの希望を聞いていたら、
大変なことになる」
果たして本当にそうでしょうか?

そういう言い方で、
利用者の気持ちが大切にされないことが
起きやすいのです。

では、提供するのは、
ただ単なる活動だけでよいのでしょうか?

本来、
どんな活動をしても良いですし、
どんなサービスをしても良いのです。
法律で決まっている部分は最低ラインですから、
それ以上のことは、
利用者の皆さんにとって必要な活動は、
何をしても良いのです。

でも、法律の中のことしか
できないものだと間違った解釈をし、
利用者の皆さんがそれぞれに
それが良い!と思うようなサービスが、
後回しになっていませんか?

確かに一般的にも、
したい仕事だったにもかかわらず、
行きたくなくなるような会社もありますよね?

そこには、何か自分の気持ちをマイナス方向に
動かすものがあるように見受けられるのです。

ですから、それこそやったことが無いような仕事でも、
やろうと思ったり、明日も続けようと思うのは、
その人をそうさせる何かがあるのです。

もちろん、それは人によって違うかもしれませんが、
お給料だったり
やりやすさだったり、
一緒にする人が楽しい人だったり、
静かだったりという環境要因なども含まれるわけです。

つまりは、
嫌も言えること。

そして、
好きも言えること。

それは、
感情が言えること。

様々な活動をする上で、
大切にされていますか?

嫌といえることが引き出され、
「こういうほうがいい」という気持ちも
出てくるような支援もあるのではないでしょうか?

気持ちの確認。

やりたい!の共感。

そこが後回しになっているのではないでしょうか?

サービスは、何でもいいからと
提供だけすればよいのではありません。

その人の気持ちが、
やりたいを産みだすものならば、
よりよいサービスである証拠でしょう。

やりたくないと思っていた活動でも、
何かのきっかけで
やりたいに変わることもあるのです。

そのきっかけは職員が準備するものです。

利用者の気持ちを確認して行くこと。

後回しになりやすい部分です。

甘えさせるとか、
ご本人の言いなりになるとかではありませんし、
ご本人の参加したがらないのは、
わがままではありません。

利用者の皆さんの、
今の気持ちを確認していますか?

今の気持ちを確認することで、
「やりたい」につながるには、
どんな工夫が必要なのかも
見えてきます。

たとえば、ある時に、
ものすごく納期が厳しい仕事が来たことがあります。
選抜メンバーを別室に呼び、
利用者の皆さんに
どういう事態化を説明しました。

「業者さんが困ってるんだよ」
ここがポイントだったかもしれません。

彼らがやれなければ、
やれない仕事ですから。

メンバーはことを理解して、
「やるよ」と口々に言い、
この仕事をやり切りました。
その時のモチベーションは、
非常に高く、
業者を助けるために、
やろうと思えたのだと思います。

何も職員から話しをしなければ、
ただの作業だったと思います。
でも、その前に、説明し、
ことの重要性をお話ししたから、
「やる」という気持ちが髙まったのだと思います。

ほんの一例ですが、
ヒントはありましたでしょうか?

気持ち。
大切ですね。
確認をして活動を進めていきましょう。
そして、必要に応じ、改善をしていきましょう。