就職に結びつく情報という視点を持とう



就労系知的障害者施設の職員は、
彼らのできない所や
困っているところに視点を当てて
支援をしているからなのか、
社会に出すために社会の人と
利用者を比較しているからなのか、
できないことを受け取る方向を向きやすく、
できていることや
その人の強みというものを受け取る力が
弱いのかもしれません。

だからこそ、
就職を意識した時に、
相手の企業に対して、
対応の仕方を心配するあまり、
この人はこういうことができない人だけど、
大丈夫でしょうか?
というスタンスになりがちです。

また、
就職に向けた支援をしていても、
これができなければダメだという
意識が強く、
彼らにとって苦手かもしれないことを
やれるようにしていこうとする風潮も
まだまだあるよう見受けられます。

もちろんできたほうが良いのかもしれませんが、
障害がある場合、そこを重要視して、
その場しのぎで、
世の中に合わせようとしていくより、
違う視点で、彼らを社会に
送り出すことができませんか?

強みという視点。
彼らの強みをもっともっと引き出しませんか?

もともと、その人に障害があることは、
当然のことなのです。
その状況は、申し訳ないとか、
迷惑をかけるという
スタンスではなくてよいのです。

ただし、事実は事実として、
伝えることはしてください。
どこに障害があるかと言うことです。

そして、どういう配慮があれば、
できる人なのか?

ただし、そこに対して、
できなくて申し訳ないという
スタンスではないのです。

それと同等に必要な情報は、
何ができる人なのか、
どういうことが得意なのか。
いわゆる強みです。

会社に勤めたら、
活かしていける部分や、
配慮いただく部分を
伝えることです。

あなたの感情が、
実は邪魔をすることもあるのです。

申し訳ないという感情や、
へりくだりすぎ、
相手あっての就職だと思い込む部分。

就職とは、
雇主と
労働者の
WINWINの関係性で
成り立つところもあるのです。

ですから、
その人の強みは、特に
重視してください。

人を紹介するというのは、
そういうことです。

その人を使おうかな?と思って頂く部分を
あなたが紹介できなければ、
ただの人になってしまいます。

人材として、
会社にとって、
欲しいと思える人でなければ、
会社は雇わないでしょう。

障害に対しては、
どんな配慮があれば大丈夫なのかを
きちんと明示してあれば、
相手の会社は、
安心感も強まります。

強みと
障害部分への配慮事項。

あなたが、
その利用者の人を
どれくらい知っているか?

それを相手に伝える文章にすることができるか?

口頭で想いを熱く語る必要はないのです。
書面だけのプレゼンテーションでも
通用するものにしておきましょう。

もちろん、実習などで
接していただくことで分かる部分も
あるとは思いますが、
紙(データ)で伝えることがあなたに
かかっていることなのです。

強みを知り、
彼らの能力をもっと引き出す方法も知り、
障害に対しての配慮事項も
会社に説明できるあなたになることです。

ご本人の良さが、
あなたによって、
魅力的な人材に変わるか、
それとも、
あなたによって、
使いたくないと思わせる人材になってしまわないか、
あなたのプレゼン能力が試されることなのです。

知的障害の場合、
企業は支援者であるあなたからの情報で、
合否を決めることが多くありますので、
まずは、日常からその人の強みを
確認して行きましょう。
そして、その人のことを全く知らない会社人が
「障害への配慮」を知った時、
自分の会社で雇えると思って頂けるよう
「伝えられる自分」になりましょう。