初めての相談を受けた時



障害がある人の支援者は、
基本的に、相手からの相談や訴えを
お断りしないことから、
関わりの開始となります。

例えば、電話があって、
困っていることがあっても、
「それはうちではできません。他を当たってください」
と言うことをする人も未だにいます。

「もう少し詳しく伺わせてください。(うちができなければ、
他をご紹介することもありますが)まず、一度お会いしませんか?」
という言い方もあります。

結果的に、
あなたの事業所でしていないサービスや
受け入れられない事案であっても、
まず、相手からのお話しだけでは、
わからない内容をさらに伺ったうえで、
適切な事業所を紹介することもあると、
イメージをしておくべきです。

SOSを持っている人が、
勇気をもって知らない所に
電話をしてきたときに、
あなたが断ると、
これ以上、他に相談することができず、
福祉の枠から落ちてしまう可能性があります。

今、SOSを訴えていても、
適切なサービスにつながらなかったり、
相談して電話を受けた事業所の反応次第で、
これ以上の相談をだれにもできずに、
大きな事件につながってしまっている案件は、
皆さんも目の当たりにしているところだと思います。

虐待
自殺
犯罪 など

そういった事件につながっている事態を、
私たち支援者や障害者支援のサービス機関として、
重く受け止めるべきことなのです。

命が消えていく時、
だめだと思った時、
もう私には無理と思った時、
もっと話を聞いて!という声すら、
私たちの元には届きません。

電話口で、
断っていませんか?
うちのサービスじゃないからと
放棄していませんか?

自分たちに、
できることは多くあるのに、
自分の所のできない理由を
つらつらと並べていませんか?

相手の人はどこに何があるのかも知らないのです。
どこで解決してもらえるかも知らないけど、
なんとなく電話しやすそうな、
あなたの事業所にかけてきた可能性があります。

事件が起きた後に、
自分たちはもっとするべきことがあったと
思うことは、だれでもできることです。

その前に、
相談が来た時点で、
もっとできることを考えましょう。

そして、もっともっとおせっかいになりましょう。

うちがやらなくても大丈夫だよね?という
変な過信はするべきではありません。

あなたから、サービスを開始し、
まず話を聞く。

話を聞くだけで、
他のサービスに繋がなくても
解決できることもあります。

初回、
なぜ、あなたの事業所をたよってきたのでしょうか?
そこに感謝するべきではないでしょうか?

あなたができること
あなたの事業所ができること

もっともっと
両手を広げて、
相談者を受け止めていきましょう。

悲しい事件は、
ひとつでもふたつでも減らす1歩となりませんか?

相談。
まずは断らない。

「もっとお話聞かせていただけませんか?」

という言葉を使っていきませんか?

SOSは、簡単に出せたわけではないことを、
相手の身になって考え、
「よく電話をしてきてくれましたね!」
と、ねぎらうことから始めましょう。