箇条書きのように番号を添えて話す



自閉症の人は、長い話をされることが
苦手な人も多く、
ていねいに説明すればするほど、
文章の中の関係性がわからなくなったり、
どこが重要なのかがわからなくなったり、
どこかを聞き逃してしまったりします。

長い文章の中に、
時に支援者も感情が入ったり、
無意味な情報も入りやすく、
また、順番的な組み立ても
整っていないこともあるので、
より理解しにくいようです。

話した内容が、
伝わらなければ意味がありません。

長く話すほど伝わらない可能性がありますので、
話しをする際には、
シンプルで、相手に伝わることを意識しつつ話す事が、
求められる技術です。

そのような時、
伝わりやすさに
役立つものとして、
箇条書きを使って話す事方法があります。

例えば、
公園に出かけたいとき。
そこは、四季折々の花が咲き乱れ、
散歩コースが充実して、
健康作りにも一役買いそうな公園であり、
昨日買った新しい靴を
履いてほしいと言えば、
行こうという気持ちになってくれるかな?と
考えた時でも、
箇条書きにして、
物事を整理すると、伝わりやすくなります。

そこで、

1番、昨日買った靴を履きます。
2番、家を出ます。
3番、○○公園に行きます。
4番、散歩コースを歩きます。
5番、花を見ます。

などというように、
番号を振り、
箇条書きのように
話していくことの方で、
これからすることが
相手に伝わります。

これを、
次のように話すと、
意味が通じにくくなります。

「今、あの公園は、ものすごく花がたくさん咲いていて、
本当にきれいなの。
散歩コースも気持ちいいし、
歩くのは健康にもいいのよ。
だから、絶対に気に入ってくださると思うのよ。
途中、ちょっとコーヒーを買いに
コンビに寄ってもいいですし、
まあ、それはその時決めればいいし。
どうかなぁ。
ねえ、行きましょうよ。
あ!そうそう、昨日買ってきた靴があるでしょう?
あれ、本当にすてきな靴ですよね!
あの靴に履きかえて○○公園に行きましょうよ!」

あれこれの話題が入りますし、
順番も前後し、
何が重要なのかもわからず、
伝わらない可能性が大きいのです。

ですから、
先に書きましたように、
箇条書きで、
行動の順番通りにして、
表現することのほうがおすすめなのです。

どうしても支援者は、
楽しい雰囲気を出したがります。
散歩に行きたがらない人なら、
なおさらです。

もちろん楽しい雰囲気は必要だとしても、
ご本人にとっての楽しさより、
支援者にとっての楽しさが
優先されている場合もありますから、
考えるべきことです。

それに、不確定な情報で、
頭の中で考えただけにして、
とどめてよいような情報は
出さないほうがよいのです。
考えている途中で
ひとりごとを言葉にするようなことは
さらに混乱のもととなります。

この方法は、
することも順番だけではなく、
作業などの順番
用意すべきもののリスト
約束
などにも有効です。

長い文章や、支援者の感情を
むき出しにしたような
話し方をしていた支援者で、
通じにくさを感じている場合、
また、一部しか通じないとお考えの場合などは、
箇条書きをイメージして番号を入れて
話していきましょう!