あなたが知的障害がある人の人権を守っているのか?



知的障害がある人の支援をしているときに、
人権だとか、
ご本人主体だとか、
そういうことを理想として、
掲げている場合があります。

理想です。

実際にやっているわけではなく、
理想。

なぜ理想かと申しあげると、
人権を守るなどできないと
思っている支援者もいるからです。

難しい。
大変。
重度だから。
言ってもわからない。
本人が信用していない。
本人が障害理解をしていない。

いろいろ、
いろいろ、言います。

そして、
職場やチームの課題も上げていきます。

上司があんなだからできない。
チームが協力してくれないからできない。

このように、できない理由ばかりを
並べ立て、
ご本人主体など
できるわけがないと思い込んでいる。

だから「理想」なのです。

理想だから、行動しない。
行動しないから、理想に近づかない。

本当の意味で、
人権は保たれない。
人権擁護もできない。
本人主体など、絵に描いた餅。

誰かのせいにして、
何かのせいにして、
あなたがあなただけでも
目の前にいる知的障害がある人の
本人主体での支援を始め、続け、
確立して行くことができないものなのでしょうか?

ひとりだからできないというのは、
私は思わないです。

もともと、たった一人の支援者から始まった
障害者支援ですから、
あなたができないと思い込んでいれば
できないのです。

何から始めるか?

夢ではなく現実に
やっていきたいのであれば、
周りのせいにするのはやめませんか?

ひとりでもやる。
必要な人がそこにいるからやる。

ただ、それでいいのです。

周りを気にして、
周りのせいにして、
「しない」という判断はないのです。

あなたが一人でやっても
価値があるものですし、
あなたが始めれば、仲間が増えます。

その仲間も、きっとあなたと同じように
はじめなかっただけです。

きっかけを誰かがすることを
求めている人ばかりなのかもしれません。

さて、そういう状態ですから、
知的障害がある人の人権が守られないポイントは
多岐にわたります。

ご本人にとって有益な情報がもらえない
自己選択・自己決定ができない
方向を誘導される
自由にすることが許されない
やりたいことが否定される
じろじろ見られる
存在を否定される
虐待を受ける
何でも支援者とするよう言われる
支援者が決めたことに従うようにさせられる

まだまだ、
まだまだあります。

これが、現実なのです。

できないと言うことをもとに
彼らの人生も操作され、
その操作されていることに気づけない彼らは、
それで良しと思い込んでいます。

それしか知らないから、
それよりもっと自分らしい生活を知らないから、
支援者が言ったことを守るべきだと思っているから、
それで良しと思わざるを得ないのです。

知っていたり、
もっと考えることができたら、
彼ら自身、良しとは思わないことが
たくさんあるのではないでしょうか?

私たち支援者は、
現状に甘えるのではなく、
自分ができることに着目して、
なぜ彼らの支援者なのか、
彼らの支援者になったのは、なぜなのか、
初心に戻りつつ、
もう一度自分を振り返りませんか?

本来、あなたは何がしたかったのですか?
なぜ、彼らに関わり始めたのですか?

やっぱり、人間振り返りが大切だと思うのです。
あなたが求めた正しい姿でなくなったと判断できますか?

あなたの関わり方で、
彼らは、自分の人生も
自分主体でなくなることは簡単なのです。

もう一度、
自分の支援は何に向かうのか?
理想ではなく現実化するために、
自分は何をするのか、
そういった視点に立ち返り、
今の自分をリセットして、
知的障害がある人の支援を
していきましょう。