道具は安さ重視ですか?



道具というのは、
同じ種類でもたくさんのものがあり、
人によってその使いやすさが、
全く違いますよね?

でも、福祉っていうイメージは、
安いもの第一主義
ですよね?

いい道具があっても、高いと買ってもらえない。

見積もりを取って、
より安い方が選ばれる世界。

そのものが使いにくくても、
組織の常識になっていて、
利用者の使いやすさは後回し。

今や、
車いすだって、
ご本人仕様になり、
カラフルで、
使いやすさ・機能性だけではなく、
それを使う気持ちにまで寄り添っているのに、
どうも、
組織的に使うものは、
安さが一番というところに、
課題がありそうです。

できれば、
(というかその方向性で考えてほしいのですが)
同じ種類でもその人に合ったものを
選べるようにしたいものです。

うちの施設でいえばハサミは、
8種類あります。

定規も5種類。

作業をするときに、
使いやすいものを
使って頂くようにしているからです。

そのどれを使ってもよく、
作業内容によって使うハサミや定規を変えていることは、
ご本人の意志です。

大きな手の人もいれば、
小さな手の人もいる。

力持ちの人もいれば
力がない人もいる。

そういう人によって差があるわけですから、
道具も変わります。

そして、自分にあった道具の方が
心地よい活動ができるのです。
様々な道具がありますので、
日常使うものを確認していきましょう。

食器・計算機・文房具もそうです。
色々な道具を、
利用者個々の活動に合わせた視点で、
使いやすさを重視して、
用意していきましょう。

どうしても、
この視点が、
施設職員に抜けるところなのです。

彼らは、与えられたものの中で
生活をすることに慣れているのです。
別な角度から考えると、
もっと良い道具があることさえ
知らない可能性があります。

支援者側で、
この道具は使いやすいのか使いにくいのかを
イメージしてください。

もちろん、あなたにとって使いやすくても、
利用者の人に使いやすいとは限りませんので、
できれば、最初から、
いくつもの道具をそろえておくのも方法の一つでしょう。

予算はないかもしれませんが、
他の無駄をのぞき、
利用者のためになる予算にするべきです。

何でも良い。
安い方が良い。
さらには、
古びたもの・壊れたものをいつまでも使っているなどは、
避けるべきです。

彼らは日常の大半を施設で活動し、
人生の多くを施設で暮らすことを
イメージしてください。

使いにくい道具で、
我慢させることはいかがなものでしょうか?

新規購入時や、
買い替え時に限らず、
ぜひ、彼ら利用者が心地よく活動をするため、
人生を楽しむためにと、
道具をそろえていきましょう。

どうしても予算がないと思われているのであれば、
年度末にこの考え方で
買ってみることも良いと思います。

利用者の皆さんにためしていただくために、
ホームセンターなどに出向き、
道具体験をしてみるのもお勧めします。