負の連鎖を解決する支援



「風が吹くと、おけ屋がもうかる」のような、
より良き連鎖とは裏腹に、
負の連鎖があって、
物事がうまくいかなくなることもあります。

問題は絡み合い、
複雑にもなりがちで、
問題が複雑になればなるほど、
どこから解決してよいかが、
わからなくなります。

この負の連鎖を断ち切るのは、
知的障害の人だけでは、
さらに難しく、
何かができないと、
「今日から、○○をする!」と言うこともありますが、
全くの的外れの時もあります。

例えばよくあるのは、
「お金を使い過ぎるから、算数ドリルを買って!」
というようなことです。

彼らの中に、
うまくいかないから、
うまくいくようにするには、
何かを努力すればよいという考え方が、
子供のころからありがちな間違った解釈のようです。

これは、
大人との関わりの中で、
「勉強をする」とか「努力をする」ことが、
大人を喜ばせていた経験がある人が、
こういう考え方になりやすいのではないでしょうか?

もともと、いろいろな問題を解きほぐし、
何から、解決するかとか、
自分が何をすれば、解決できるか、
と言うことは、一人ではできにくい分野です。

支援者と考えていくことで整理され、
どこから何に取り組めばよいのか、
わかりやすくなります。

ひとりに任せないで、
支援をしていきたい部分なのです。

では、どのように
絡まった課題をときほぐすのか?

彼らのニーズを取る時に
似かよっているのですが、
例えば、彼らが困っているところで、
解決したいことを探っていきます。

例で上げると、
ご本人「Aに困っている」
支援者「どうしてAになってしまうのでしょう?」
ご本人「Bをしてしまうから」
支援者「どうしてBをしてしまうのでしょう?」
ご本人「Cだからだ」
支援者「じゃあ、Cをやめる方法を考えれば、Aで困らないですね?」

というような話の中で、
Cをやめるには何をするか?という話し合いをします。

この時に、
支援者は怒ってはいけませんし、
過度な努力は求めてはいけません。

彼らががんばればなんとかなるとか、
勉強すれば何とかなるとか、
そういうイメージで解決しようとしてしまいますが、
そうではありません。

できることの中で、
自分で工夫できることです。

また、日常を過ごしながら新しい何かを入れるわけですから、
それが、他の生活に影響を及ぼさない程度にしていきます。

あれもこれもとなると、
今までできていたことが
できなくなる時があるからです。

こういった緩やかな中で、
改善をしていく。

整理して、
わかりやすくする。

Cがなくなれば、Bにならず、
Bが起きなければ、Aの困りごとはなくなる。
といった流れです。

そして、改善をするときは支援者も
その過程を確認することをして、
確認している中で、
他の問題があったからとなれば、
そちらから解決かもしれないのです。

彼らだけに任せ過ぎず、
適度な確認などの支援を入れ、
どこに困っているのか、
どうやったら改善するのか、
負の連鎖を断ち切るために、
情報の整理を最大に考え、
一緒に取り組んでいきましょう。