介助系事故はプロ意識で防げるのか?



施設職員が支援をしていくときに、
毎日が同じような動きのことがあります。

例えば、
投薬の介助
車いす移乗や介助
トイレ介助
食事介助
など、介助系のことです。

支援が必要な部分が同じで、
常々利用者ご本人に
大きな変化があるわけでもなく、
職員としては、自立を促すよりも、
毎日のやるべきことを淡々とこなすといった
イメージでしょうか?

この介助系の支援は、
段々になれていき、
例えば、少しよそ見をしていても
できてしまうようなこともあり得ることでしょう。

そうなった時に、事故になりやすい部分なのです。

例えば、
薬の飲んだ確認をせずに、
飲み忘れたままであったとか、
時間でトイレに行かせて、
職員が部屋を出ていくのが常で、
そのままトイレの中で放置状態だったとか、
いろいろな事故があります。

支援者としても、
他の職員が気づいてやってくれるだろうと
思い込んでいたり、
他の利用者と接していた瞬間に、
忘れることもあります。

このヒューマンエラー、
なにをしたら、
二度と起こさないようになるのでしょうか?

そう問われると、
やる気とか、
ちゃんととか、
そんなイメージになりがちですが、
本当にそれでミスは防げるのでしょうか?

このような事故は起きてから
気づく施設も多くあると思います。

と、言うのは、
職員がミスをしないのが当たり前だからです。

果たしてそうでしょうか?
私はミスをするのが当たり前と思っています。
ミスをする動物なのです。

だからこそ、ミスを防ぐために、
どんな方法が良いかを
皆さんで意見を出し合って、
ミスをしない行動の手順などを
決めてほしいと思います。

もちろん、ミスをしたところは、
それがもとになって、
ミスをしない行動の手順を
考えられていると思いますが、
そこに、やる気とか、ちゃんとといった言葉で
きれいにまとめるべきではないと思います。

職員として、プロ意識を持って、なども、
防ぐための良い言葉ではありません。

また、ミスをしやすい職員もいます。
何度も同じようなミスを犯しているのです。
そういう職員でも、やはり支援は続くのです。

現場は、人間性とかを求めがちですが、
そちらを求めるよりも、
システムなのだと思うのです。

交通機関や工事現場などでやっているような
声だし指さし確認のように、
自分でチェックをしつつ、
周りにもそこがわかるようなことは、
内容によっては必要なのかもしれませんし、
何かチェックリストのようなものが
効果を出す現場もあるでしょう。

ただし、そのチェックをすることでの、
仕事の増え過ぎで、
余計にミスを犯しやすくなる可能性も
否定できません。

別な視点でいうと、職員同士、
信用し合わないことです。
信頼しきっていることから、
出てきている事故もあります。

これは人間関係が悪くなるように見えますが、
いい意味での信用しないという意味で捉えてください。

もし、その人がミスを引き起こし、
事故となった時のリスクを考えたら、
その人だけのことではなく、
施設全体としてのリスクとなります。

やるべきことをやっているかどうかのチェックを
お互いさまでやっていくこともまた
気づきの瞬間となるのではないでしょうか?

職員間でさえも、
仕事の根底に、
同僚はミスを犯さないと思い込み、
ミスは起こすべきではないし、
ミスした職員が悪いという風潮になりやすく、
自分は関係ないと言い放つのも
チームとしては後ろ向きです。

その人のせいにすることを解決策とせず、
チーム一丸となって、利用者に不利益にならないように、
どんなシステムにすれば、
誰でもできる事前の防止策になるかを考えましょう。
 
誰でもできるというのがポイントです。
自分ができればよいとか、
正規職員だけできればよいというものではなく、
あなたの施設の職員全員ができる方法を考えましょう。

逆に、事故ゼロが○日連続!
介助スキルを上げてみよう!などと言う方が
ポジティブに
受け入れやすく
目標数値や
するべきスキルリストを点数化したり、
わかりやすくなれば、
システムにもなりえます。

自分たちにとって、どんなシステムが
前向きになるのか、
事故を未然に防ぐために、
創り出していきましょう!