「今度、○○が
ひどい人が入ってくるんですよ。
断ったのですけどね」
このような言葉、
よく事業所が使う言葉です。
他害・破壊などの行動障害があり
断ったという事業所は、
たくさんあるのではないでしょうか?
さて、入所に際して、
3つの課題がある感情が存在します。
ひとつは、事業者。
2つ目は、すでに利用している利用者の家族。
3つ目は、断られた、利用者の家族。
もちろん、利用者の方にも
色々な感情が感情が存在はしますが、
課題ではありません。
先ほど書いた3つの感情。
少し解説をしていきましょう。
1.事業者
これが一番の課題です。
なぜ、断るのか?
まず、スキルがないからです。
そして、他の利用者に迷惑になったら、
困るからです。
クレームも受けたくないというのが
あるのでしょう。
事業者としての不安が前面に出ていますね。
安全のためという決め文句での
門戸の閉じ方になります。
やはり、スキルを持つべきです。
断ることではなく、スキルを持てば、
支援ができるのです。
スキルがあれば、
他の利用者にも迷惑がかからないはずです。
ですから、スキルを持たない事業所として、
断るという行為で
解決をしているように思わないことです。
受け入れなければスキルは
手に入らないかもしれません。
ただ、一時的には、
他の利用者にも影響は出るはずですから、
そういうことをすでにいらっしゃる利用者やご家族に、
ご理解いただくことを
普段から積極的にしていくべきです。
また、不安を前面に出していますが、
できることを考えていくことです。
できないことを思ってしまうと、
何も解決しないからです。
私たち支援者の使命は、
なんだったのかを考えましょう。
2.すでに利用している利用者の家族
自分たちの子供が
すでに入ってしまっているわけですから、
手のかかる利用者が入ることに
毛嫌いをする人というのもいます。
何でそんな人を入れたのだという言葉で
はっきり言う人はまだ良いのですが、
裏でこそこそと、
施設や新入利用者の悪口を言う人がいます。
はっきり言って、
情けないです。
どんな障害であろうと、
あなた方の仲間ではないのでしょうか?
障害の程度に良し悪しをつけ、
その中で自分たちだけを
守る人たちがいる事は、
社会の中での
偏見を生むきかっけにもなります。
自分の子供さえよければよいという考え方は
捨ててください。
どの人にも支援は行き渡るよう
考えていただきたく思います。
そして、あなたのお子さんだけに
最高の支援がほしいとも
思わないでいることです。
なぜかというと、
事業所は、あなたのお子さんだけを
見ているわけではありません。
様々な利用者の方に、
支援をしているということを
充分に理解してください。
たくさんの人に
最高レベルの支援をすることは
望んでいただいてもかまいませんが、
あなたのお子さんだけに
最高レベルを求め、
他の人はどうでもよいといった感情は避けてください。
さて、そういう考えのもとで、
新しい利用者を迎え入れれば、
一時あなたのお子さんへの支援の量は
少なくなることもあります。
さらに、
新しく入った人は、安定するにも、
時間もかかりますし、
毎年その繰り返しなのです。
そこも受け入れる度量をお持ちください。
事業所にクレームを言う事ではないと思います。
3.断られた、利用者の家族
とってもがっかりされたことでしょう。
その手の支援施設ばかりなのです。
様々な事業所がありますが、
申し訳ありませんが、
スキルがない事業所であることは確かです。
でも、一面だけを見ないでください。
信用できないと感じないでいただきたいと思います。
一度、嫌なことがあると、
もうそこと関係性を持つことさえ嫌う方がいますが、
そういう捨て去るような感覚を
お持ちいただきたくはありません。
一面を見て、
壁を作ってしまう事だけは、
避けたいと思うのです。
事業所は、
今いる人が中心で、
支援方法を知らない「障害」の人にあってから
スキルを獲得する場合もあります。
ですから、ご家族として、
できることもあると思いますので、
そんな協力をしてみてはいかがでしょうか?
そして、行動障害があるわが子を
責めないでください。
よくあるのは、
その子供の障害があるせいで、
自分自身が恥ずかしかったとか、
面倒になったなどと言う感情がもとになって、
お子さん自身を責めたてることです。
お子さんは全く悪くはありません。
それよりも、
今までの支援者も含め、
支援をする人が、
スキルがないことが課題なのです。
ですから、
お子さんを責めると言うことでの
ストレス発散はなさらないようお願いします。
事業所に入った後も
なかなか落ち着かない日々が続くかもしれませんが、
あなた自身のことも責めないことです。
あなた自身も悪くはないのですから。
まだまだ受け入れが悪い世の中ですし、
そこを変えていき、
行動障害がある人でも
ためらいなく入所できるために
お力添えをいただければと考えます。
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4月入所の人も多くいらっしゃると思います。
事業所は、早め早めに手を打ち、
チーム一丸となって、最善を尽くしてください。
もともと入っていた利用者のご家族は、
見守りをしていただき、
新しく入る利用者のご家族を
暖かく迎え入れてください。
そして、新しく入る利用者のご家族は、
いろいろな不具合があるかもしれませんが、
投げやりにならず、
日々、明るく過ごしてください。
そういうことが、
新しく入った利用者の方の安定を早くします。
課題は、毎年繰り返されます。
4月を乗り切ったならば、
事業所は、
するべきことに着手しましょう。
来年、また行動障害がある人が
利用を申し込んできた時に
1つ返事でOKできる事業所になりましょう。