おまわりさんの使い方



知的障害がある人に、
警察や交番、
おまわりさんについて、
あなたは、
どんなことを伝えていますか?

「悪いことをすると
おまわりさんにつかまるよ」

というニュアンスのお話が
圧倒的に多いのでは
ないでしょうか?

知的障害がある人は、
どうしても
支援者から見ると、
世の中に迷惑をかけては
いけないという
前提で話すために、
こういうニュアンスに
なってしまうのです。

あなたが世の中で、
迷惑になったら、
お巡りさんが捕まえに来るよ。

そういうことを、
植え付けているのでは
ないでしょうか?

この手の言い回しは、
実は知的障害がなくても、
よく使います。

「悪いことをすると
先生に怒られる」とか、
「そんなことをしたら、
お父さんに言いつける」とか、
そのような言い回しで、
あなた以外の第三者を持ち出し、
行動を抑制をしているのです。

でも、悪いことをしたら
つかまるという言い方を
することは、
果たして良い効果になるのでしょうか?

私はお勧めしません。

というのは、
先生にしても
お父さんにしても
もちろん、
お巡りさんにしても、
違う役割もあるからです。

お巡りさんは、
彼らの何の為にいるのか?

それは、SOSに
対応してくれる人として、
位置づけていただきたいのです。

ご本人が悪いことをするよりも、
ご本人たちが
被害者になる確率の方が
高いのです。

そんな被害者になった時に、
交番に行けなかったら困るのです。

交番に行けば、怖いお巡りさんが
いるから行けないと、
彼らが思っているとすれば、
支援者が植えつけた、
「悪いことするとつかまるよ」
だけの世界だからです。

何かあったら
お巡りさんの所に行ける
人の方が良いのです。

もちろん、交番の位置さえ
知らない人もいます。
でも、世の中で見ず知らずの彼らを
すぐに助け、保護してくれるのは、
お巡りさんなのです。

あなたがもしも、
「悪いことをしたらお巡りさんにつかまる」
といってしまっているようでいたら、
その言い方はやめにして、
あなたが第三者を使わず、
その場の課題の
解決を図ってください。

そして、
お巡りさんという職業を
どんな時に
頼りにするべきなのかは
別な機会に
お話しするようにしてください。

街中で、
彼らが困った時こそ、
交番に駆け込めるように、
しましょう。

これは街の中でもありますし、
一人で留守番しているときも
あり得ます。

電話も110番にかけられるとか、
そういうスキルもどこかで
覚えられるといいと思います。

特に一人で行動できる方にとっては、
何かの時に役立つでしょうから、
交番の位置も覚えていただきましょう。

お巡りさんは、
あなたを助けてくれる人だよ。
そんなメッセージを
普段から彼らに伝えていきましょう。

警察の人たちも、
まだまだ
知的障害がある人達とのかかわりが
上手とは言えないかもしれませんので、
何かの理由をつけて、
あいさつだけでもして
顔を覚えてもらうなど、
そんなひと工夫も
必要かもしれません。

街の中で、
彼らのことを
交番にわかってもらえているというのは
心強いと思いますよ。

支援者も、積極的に
交番のおまわりさんと
仲良くなってください。

あなたの間違った
言い回しにより
交番が正しく使えないことの無いように、
困ったらSOSをする人たちとして、
つまりはおんなじ支援者として、
頼っていきましょう!