「福祉のこころ」ではなく「商品」を売ろう!



あるお客様がおっしゃっていました。

「ここは障害者施設なのだから、
障害者が作ったって言って、
売るといいわよ。
それに、安くなきゃだめよ!」

その方は、
障害者に理解がない訳でもなく、
ひとつのアイデアとして、
そう言ってくださったと思うのです。

これが、
障害者施設の商品に対する、
多くの意見だと思いますし、
職員たちも、
高いと売れないという、
感覚になっている人の方が多いと思われます。

はたして、この感覚のとおりに、
あえて、障害者が作ったと言い、
あえて、安くしなければならないのでしょうか?

私はそうは思っていません。

誰が作ろうと、
商品としての
お客様が満足する価値を
提供しているのであれば、
わざわざ障害者が作ったという言い方や
安くという方法で、
提供する必要はないのです。

だいたいが、
原材料費は価格の考え方に入れますが、
彼らの労働力を
ほとんど換算しないケースが多く、
低賃金が当たり前になっています。

そして、あえて
障害者が作ったという言い方は、
お涙ちょうだいという感覚が
職員にあることを
示しているのではないでしょうか?

「がんばって作りました!」
「一生懸命やっています!」

そういって、販売会などで
売り続ける施設がありますが、
がっかりします。

どんな商品も
そうやって売っていませんよね?
福祉系だけですね。

お涙ちょうだい的に
売っているということは、
福祉に関心がある人にしか
売れないと思いませんか?

彼らの商品は、
「商品そのもの」を
ほしいと思った人に売るべきです。

お涙ちょうだい的に考えるから、
安くないと売れないと勘違いし、
適切な価格をつけず、
「福祉関心者」だけに売れて、
売れた気分になっているのではないですか?

逆な言い方をすれば、
「福祉関心者」は、
安くないと買わないということです。

だから、高くした場合は、
売れないと勘違いをするのです。

安くなければ買わない人は、
あなたの施設の
「福祉のこころ」のお客さんであって、
「商品」のお客さんではないのです。

目の前の人全てに
売れなくてもいいのです。
高くても買ってくれる人が、
あなたの施設の「商品」の
本当のお客様だと思います。

「福祉のこころ」を買うのではなく、
「商品」の良さで買うお客様を
つかむためにも、
何を前面に出すのかという
視点も持っていただきたいところです。

あなたの施設の「商品」は、
本当にその価格でよいのですか?

売る相手は、
「福祉関心者」でいいのですか?

安くないと売れないのではなく、
「福祉関心者」に売ろうとしているから、
高いと思われてないですか?

「商品」のお客さんは、
商品を手にして喜んでいただくことになります。
「福祉のこころ」を買ったお客さんは、
この施設に貢献したなと思って喜んでるでしょう。

この違いなのです。

だからこそ、良い商品を
欲しがっているお客さんは、
もっと高いことで、
商品価値を認めることがあります。
高い方が、商品の価値に直結しますから。

他の市場を見て、
自分の施設の「商品」と同等のものを
照らし合わせてみてください。
もっと高いはずです。

この商品は、
一般のお客様にとって価値ある「商品」であると
いう気持ちで売りましょう!
売り方も変わってきますよ!