何人の利用者を何人の職員で見ますか?



施設の規模は、まちまちですね。
10人以下の施設もあれば、
100人以上の施設もあります。

その中で担当職員対利用者の数は、
利用者何人に対して、
職員何人でしょうか?

そう考える時に、
例えば、50人の利用者に
職員が10人だったら、
5人に一人ですが、
この時に、よく間違って考えてしまうのは、

例えば、利用者10人のグループなら、
2人の職員がいなければならないという計算を
してしまう事です。

何が間違いかというと、
職員の事務的な仕事のことや、
年休のことを
全く考えずに
人数配置をしている点です。

そして、その人数が
いなければ回らないと
思い込むことです。

職員は、労働者として、
年次有給休暇の取得が認められています。

全員がいなければ
利用者を見ることができないという
プログラムにしてしまうと、
年休も取れないですし、
事務仕事も利用者の皆さんが
帰ってからやっているという事態になります。

そして、残業が当たり前となり、
残業で疲れた体が次の日まで持ち越され、
本調子での支援ができなくなることにもなります。

では、どういう計算の仕方をすればよいでしょうか?

年休分を入れ、
事務割合を入れ込んだ計算にすることです。

すると、
月20日、年240日として、
日割りでやっていくとわかりやすいです。

職員は、年間20日の休みが取れるとしましょう。
そうすると、年に200日は1人休んでいる状態です。
さらに、夏休みなど交代で休むとなれば、
ほぼ、1人いない状態と見越した方がいいですね。

すると、利用者5.4人に職員1人となります。
ここには事務作業を入れ込んでる計算ですから、
事務でどれだけ抜けるかを考えたら、
職員一人当たり、6人以上を見ていく計算になります。

この計算は、アクシデント対応などが入っていません。

ですから、全職員が
全部の時間にいることを想定した
プログラムを作ってはいけません。

アクシデントもありますから、
「余力」を入れておくことです。

マンツーでつかなければならない
利用者の方もいらっしゃるはずです。

精神的に落ち着かなければ、
長い時間別室で支援をすることもあります。

ご家族や業者の人と話している時間も大事です。

「余力」を見越さないで、
プログラム体制を決めてしまうと、
年休が取れない、
事務仕事ができないといった、
疲弊感を生みます。

その体制を作ったのは自分たちの組織です。

誰が決めたわけでもなく、
自分たちで、計算を間違っているのです。
もう一度計算をし直してみてください。

そうなると、
50人の施設であれば、
ひとりが年休、一人が事務仕事をし、
ひとりがマンツーマン対応等をしているため、
7人くらいの利用者を1人の職員で
見ている計算になると思います。

つまり、7人を一人で支援できるプログラムを
考えることです。
さらには、
8人を一人で支援できるプログラムであれば、
部分的にもっと余力ができて、
じっくりした支援も入れられます。

それは、後ろめたいことではありません。
職員が長く続けるためには、
そういう計算もして、
「余力」を作ってください。

がんばりすぎて、
燃え尽きてしまう事の方が、
利用者のみなさんにとっては、
残念な結果になりますから、
職員は、無理しないことです。

支援が楽しめていないのであれば、
こんな落とし穴に
引っかかっている可能性もありますから、
再構築をしてみましょう!