トイレに関わる人権侵害



トイレに関わる支援をする場合がありますね。

色々と施設の職員は、困ることがあるようで、
ご相談をお受けしますが、
その多くは、

1.トイレにこもってしまい、活動の時間になっても出てこない
2.紙を使いすぎてトイレを詰まらせる
3.何度もトイレに行く

などというような内容です。

職員は、「利用者がする問題」で
「自分たちが困っている」状況と捉え、
「こんなことをする利用者がいるのですよ!
どうすれば、やめさせられますか?」と
という訴えなのでしょう。

つまり、支援の方法をどうしたらよいかと思う時に、
利用者の人が問題を起こしていて、
職員のする支援内容に問題があると
思っていない職員は
多くいらっしゃるのです。

そういうことですと、
トイレにまつわる関わりの中で、
その利用者の人が行動を改善することばかりに目が行き、
職員自身の行動の変更の方は
思い描いてないことになります。

実際、自分たちの支援の仕方が、
このような結果になっているとは
思われていないでしょうね。

でも、なぜ、この行動をするのか?

どんな場面でもそうですが、
「行動には理由がある」ので、
その利用者の人が、
その行動をする理由は必ずあるのです。

そこを探らないまま、
表面的に見える部分だけで判断をして、
「良くないことをしている人」というレッテルをつけて、
注意をすることや
行動を止めるといったかかわりを
してしまう職員が多くいるのが事実です。

さて、本当にそれでよいのでしょうか?

先ほど、3大相談を書かせていただきましたが、
それを見る時にこんな見方もありますよ!
という例を出していきたいと思います。

「1.トイレにこもってしまい、

活動の時間になっても出てこない」ですが、
なぜ、その行動をするのか?と
考えたことはありますか?

トイレが安全地帯になっている人もいます。

活動の前にそういう行動が多くみられる場合は、
活動に対する感情を確認する必要があるでしょうし、
その活動ではない活動が求められていると思ってみましょう。

残念なことに、トイレから
引きずり出せばよいと思っている職員も
いまだに見られ、
無理やりドアの中に入ることも含め、
人権侵害にもなります。

自分はそうされたいですか?
自分に問いかけ、
活動に対してのニーズを確認し、
支援内容を変えることもあると思ってください。

「2.紙を使いすぎてトイレを詰まらせる」は、
紙を使いすぎというのは、どういう状態か?
を想像することです。

表面的に見えるところだけを見て、
いけないことをしていると思い込み、
表面的なことに対して注意をしていくようなことや
少ない紙を渡して、
これだけで排泄させるという方向に行くのは、
果たしてよい支援なのかを
考えていただきたいのです。

その人の紙を多く使う意味を知ってください。
トイレットペーパーの使い方が
わからないからかも知れません。

そちらを見るようにしていきましょう。

ちなみに平均何センチの紙を使うのが
正しいという基準はありません。

「3.何度もトイレに行く」も、
本当におなかが痛いかもしれないですよね?
今行ったから、5分後に行くのはおかしいと思われるのは
想像力が足りない可能性があります。

職員もそういう場合がありますよね?
残便感がある場合もあるし、
また出たくなることだってあります。

でも、自分は行きますよね。

なぜ、利用者の人には、
行かせないのか?

そういう視点に立てば、
おかしなことをしていると
わかるのではないかと思います。

表面的に自分たちから見ることを
自分の常識や集団の論理で決めつけないことですし、
そこにある行動の意味を考えることです。

ニーズは何か?
困っていることは何か?

そうやって、支援をすることがあると考えていただきたいのです。

表面的に見えることで判断せずに、
どんな関わりにしようかと考えます。

これらのことは、先ほども書きましたが、
人権侵害になっている可能性は高いです。

人として、トイレにいることを
否定されるべきではないのです。

でも、みんなと一緒の行動ができないんです!
など思われるかもしれませんが、
個別支援の範疇です。

なんでこの行動をしているのだろう?
何か困っているのかな?
から入る支援の思考をしていきましょう!