インフォーマルな資源の作り方



フォーマルな支援とインフォーマルな支援。

フォーマルな支援は、
公的なものや制度に則って
行われる支援です。

インフォーマルな支援は、
ボランティアや近所の人なども含めたり、
制度になっていなかったりする支援です。

知的障害がある人に対して、
何もない時代、
福祉の先駆者が、インフォーマルな支援をはじめ、
それが行政に認められ、制度となり、
フォーマルな支援となっていく過程は、
常に、起きています。

ですから、
この後も、
何か、インフォーマルな支援を
していくうちに、
フォーマルな支援となることは、
ありうる話です。

私が相談支援の資格を取った時に、
講師の方の話しで印象が深かったのが、
「サービスがなかったら開発するのも
相談支援の役割」
という言葉。

サービスがなかったら作っていく。
この言葉はものづくり大好きな私には
ドンピシャ!な言葉でした。

ニーズにどれだけ合わせるか?
それを私たちから作るべきもの。

そういう印象を受けました。
もちろん、障害者支援の先駆者たちは、
作ってきていたわけですから、
当然のことです。

その後、ないサービスを
形にしていったのは、
いくつかありますが、
どういうものをしていたかというと、
とにかくSOSが出たものは、
やってしまった

です。

現存せずに、
そのことで困っているというSOSが入ります。
じゃあ、やっちゃえ!です。

価格を決めたものもありますし、
無料でしているものもあります。

制度に乗らないものもありますし、
そのうち何らかの制度になるかもしれません。

でも、その困っている人は、
制度とか制度じゃないとか、そんなことよりも、
今、この困っていることを何とかしなければ、
立ち行かなくなることもあるのです。

人間の生活だからです。

たとえば、
入所施設を出た身体障害のご夫婦ですが、
24時間支援が必要。
私たち学生で、ローテーションを作り、
24時間支援を続けました。

今やヘルパーが当たり前ですが、
30年以上も前はなかった時代です。
もちろん、無料ではありましたが、
学ぶものがあり、WINWINの関係だったと思います。

そのご夫婦も、ヘルパーができて、
使うようになったのです。

制度にないから、やらないというのではなく、
制度にないけど、やりましょう!
という考え方次第なのです。

勘違いする人が多いですが、
制度のことしか
やってはいけないのではないのです。

制度になくても、
誰かが始めることです。

例えば、八百屋で野菜以外に
お花売っているところだってありますよね?
その地域でニーズがあるからでしょう?

そういうニュアンスです。

ニーズがあって、
それを解決することができる人が
インフォーマルなサービスを
作ることができるのです。

まずは、ご自身の身近な人の
SOSに耳を傾けることです。

そして、できることをする。

できなければ、それに見合ったサービスを
利用するかもしれません。
(家事代行とか、スポーツジムとか)

今、うちの法人でしている代表的なのは、
金銭支援です。
公的なものだけでは、
サービスが足りないからです。
ご本人や支援者からのSOSによって、
しています。

フォーマルなサービスをしながら、
ある意味「片手間」にできることです。

自分にできることの中で、
始めていきますが、
途中誰かにバトンタッチしても良いのです。

ずっと続けなければならないからできないとか、
そういう将来のことは考えなくてもいいのです。
インフォーマルなサービスは、
恒久的でないこともあり得ますから。

あなたの周りの
知的障害がある人やそのご家族などから出る
SOSに少し耳を傾けて、
この困っていることをどうやったら
解決できるかなという視点で、
ちょっとおせっかいモードで対処するだけのことです。

制度にないからできないと考えるのが、
福祉関係者の悪いところです。
制度は最低ラインです。

あなたのちょっとした
インフォーマルな支援を展開することで、
制度にもつながる可能性もあります。

まあ、そんなことよりも、
今目の前にいる人を助けるか助けないか、
あなたならできるかもしれないと言うことです。

さあ、もう一度、
あなたの身近にある
SOSに耳を傾け、
あなたからちょっとSOSに近づいてみませんか?

資源が創り出せるかもしれませんよ!