相手の心に響く言葉で虐待を止める



自分自身が、
一生懸命支援をしていて、
何かの拍子に、
虐待となったことに気づかず、
良かれと思って支援をしていた時に、
他者から「虐待だよ」といわれることがあります。

ごく少数かもしれませんが、
こういう経験をしている人もいるのです。

今、
自分は一生懸命に支援をしている。
それなのに、
虐待とは何事か!
いや、支援だよ。
何を言うんだ!

そういう感情が入り混じるでしょう。

まさかの「虐待だよ」という言葉に、
頭の中が真っ白になる人も
いるのではないでしょうか?

自分は「支援」だと思っていたとしても、
その行為を
他者には「虐待」に見える場合もあり、
そう言われる可能性があるわけです。

さて、
この時の二人の感情の
ミスマッチは、
頂けませんね。

その日を境にして、
関係性が終了するわけでもありません。

一瞬で凍りつくような声かけをすることで
虐待はなくなるのでしょうか?
なくなるどころか、
仲たがいのきっかけにしかなりません。

その虐待をできれば、一気に
なくしたいわけですから。

言葉って大切です。

でも、あなたが放つ言葉で、
虐待をしている人の感情が、
イラ立つようでは、
効果は薄いのではないかと考えます。

ですから、より効果的な言葉のかけ方は
ないのだろうかと思うのです。

支援をしているつもりなのに、
虐待をしている人の気持ちは、
どんなだろう。
虐待をした人を止めたい自分は、
どんな言葉を使うべきか。

もし、
自分が、
一生懸命に支援をしていた際に、
方向性がずれて、
虐待をしていたと思われた時に、
なんと言葉をかけてほしいと思いますか?

実は、
セミナーで
今、虐待をやめさせたいあなたが、
相手に言葉をかけるというシーンの言葉を、
考えてもらった事があります。

そして、次に、
その自分が発した言葉を、
あなたが虐待者の側で聞いたとしたら、
どんな感情になりますか?
というワークをしました。

みなさん、
「こんな言葉はかけてほしくない」
というような感情が多くありました。

一生懸命考えて、
見つけた言葉でしたが、
それを、自分が投げかけられたら、
嫌だというのは、
どういうことでしょうか?

自分が正しいと思う気持ち、もしくは、
相手が悪いと言う気持ちで相手に接すると、
どうしても、
言葉が相手の心に響かないのです。

ですから、もう一度同じワークをしました。
虐待を止めるのは、虐待している人を助けること。
だから、虐待をしている相手を助けるために、
どんな言葉を発したらいいか?
と切り替わったのだと思いますが、
歴然とした違いがありました。

言葉って、その良し悪しは
自分が決めるのではなく、
相手の感情が決めるものなのです。

相手に伝わらなければ、
意味をなさない。

つまり、虐待は止まらない。

だから、虐待を止めたいなら、
ただ単に言葉を発していては、
だめだということがわかります。

あなたが、虐待をストップさせたいなら、
罪を憎んで人を憎まず、
その人を助ける気持ちで、
言葉を発していってほしいと思います。

もし自分が間違っていた時に
かけてほしい言葉を思い浮かべましょう。
きっとそのほうが相手に伝わる言葉となり、
虐待も止まる一歩となります。

そして、大切なのは、
その人も一緒にこれからの、
虐待の無い事業所を作ると言うことです。

その一歩が始まった瞬間なのです。

ひとつの虐待がなくなり、
チームとしてより良い支援をしていく。

あなたがその時放つ言葉はなんですか?
相手に届く言葉にしていきましょう。