知的障害がある人が、
何かをしようとしたときに、
何をするのか、
自分の言動をはさまず、
まず見て、待つことはできますか?
見守り的に。
支援者が、待てずに、
こう考えているのではないか?とか、
こういう方法がいいのではないか?とか、
どうしても先回りして
考えてしまう傾向が強くないですか?
例えば、施設から急に出て行ってしまった場合、
その時点で、だめじゃないか!と思い、
施設の中に入るように言ってしまったら、
その利用者の人が、何かの目的で、
外に出ようとしていたのに、
自分でしようとしていたことができずに
施設に戻ることになります。
つまり、支援者は、
施設の外に出た意味を理解することが
できないことになります。
何も考えずに
外に行くことはないと思いますし、
もしかしたら
重大なことだったかもしれないのに、
支援者が中断をさせたことになります。
たとえば、落ちたものを拾おうとしているとき、
ご本人が撮ろうと慣れない動作でもやっているとき、
横から簡単に拾い上げていませんか?
うまく作業をしようと、
自分で工夫をしているときに、
そんなやり方はダメだと、
中止させていませんか?
彼らのことを今以上にわかりたいのであれば、
あなたの考えや行動を前面に出すのを
少し待って欲しいと思うのです。
彼らもいろいろなことを考え、
自分なりに何かをしようとしています。
何をしようとしたのか、
どうやってやろうとしているのか、
そこをまず知っていくことで、
その内容に適切な
支援をしたいものです。
先回りして、
支援者が何かのアクションをしてしまったら、
支援方法は、間違ったものになる可能性もあります。
知的障害がある人の行動を
まず知り、
どこに支援が必要かを探った上で、
支援をするべきなのです。
待てない場合、
彼らは悪い行動をしようとしていると、
評価をしている可能性があります。
できないと思い込んでいる可能性があります。
迷惑をかけると思い込んでいる可能性があります。
失敗をするとも思っているようです。
あなたが思い込んで
彼らの行動の先をイメージしてしまい、
予防的に先回りしていませんか?
彼らのしようとしていることを見て、
できるなら一人でやってもらう。
間違っていなければ、そのまま続けてもらう。
実際にSOSが出たら、支援を開始する。
簡単に支援という名目で、
手や口を必要以上に出してはいけません。
彼らができることは、
ご自身でやっていただきたいと思いますから。
支援というのは、なんでも、簡単に
こちらの思いでやってしまう事ではなく、
まずは、彼らの気持ちや行動の発信を確認し、
SOSを待つことから、始まります。
何がしたいのかを確認するために、
いつでも支援をできるようには、
しておきましょう。
もちろん、彼らがSOSを出しやすい
支援者でいることも必要です。
待つということは、
待てない人にとっては、
なかなか簡単にできることではないかもしれませんが、
重要な支援スキルの一つなので、
意識をして身につけるものです。
口を出し過ぎたり、
行動を事前にとめてしまっているような場合は、
「待つ」を意識してみて、
彼らの行動を見守っていきましょう!